長谷川等伯展

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ようやく有給使って国立博物館に行って来ました。
(外で「佐賀物産展」やってて、ウロウロしましたが、なぜか「佐賀錦」は売ってなかった…)

いや~…混んでましたね。
平日でこんなだったら土日は見れないだろうな~…。

とにかくよかったです~。

第1章は「能登の絵仏師・長谷川信春」で、大量の仏画が見られます。
ただの仏画にしては抜群に上手い!これが。
「善女龍王像」なんか珍しいのではないでしょうか?
この長谷川信春が等伯であると解明されるまで色々あったそうです。

第2章の「転機のとき―上洛、等伯の誕生―」
謎の絵師・等伯ですが、やがて上洛したようです。
論争の焦点はこの時、彼が狩野派に入門したかということです。

「牧場図屏風」はこんなに馬持ってる人って金持ちだよね~…とかより、景色を見て下さい。
「恵比寿大黒・花鳥図」の花なんかアールヌーボーですよね。

第3章「等伯をめぐる人々―肖像画―」では、教科書でお馴染みの数々の名画がいっぺんに見れます。
鷹と一緒の「武田信玄像」は顔がマツザキシゲルみたいでよく分かりませんが、とにかくスゴイです。
馬と一緒の「伝・名和長年像」は小姓の着物がいいですよね。

しかし、なんと言っても「千利休像」でしょう!
この絵だけでも、利休が芸術家だということが分かります。
それでいて、頑固ではない人柄などにじみ出ていて、他の坊さんの絵と全然違います。
「頼朝像」に並ぶ肖像画でしょう!
秀吉とかみんな描いてもらえばよかったのに…。

第4章の「桃山謳歌―金碧画―」ではチラシにもなった「花鳥図屏風」です。
ダ・ヴィンチばりの植物画でしょう。
色鮮やかで感動です。

「萩芒図屏風」はススキが落剥していてよくわかりませんが、隣の「柳橋水車図屏風」の月を見て多分銀だったんだなあ…とか思ったり。
柳橋水車図屏風」は王朝絵巻というか、蒔絵ですね。

私は他に「波涛図」が感動でした。
波の動きとか、北斎も影響を受けたんじゃないでしょうか?
岩のシャッと描いた感じとか、その後の等伯の主流になる技巧が出てきますが、とにかく黒(墨)の発色がスゴイです。

文人画でもゴツゴツした岩の景色とか描きまくってますが、日本にないこの景色を描く境地を想像するとその天才に脱帽です。(資料は輸入した文人画だけだったはず)

ここから等伯水墨画の世界が始まります。
水墨画は離れたところで景色が見えるようになるまで見て欲しいです。
色や空気が、絶対に見えるはずです。(混んでいるから大変なんだけど)

寂(しず)かです。
そこまで来ると、ものすごく静かになります。
その達人の世界を感じて下さい。

「松林図屏風」は影の松がポイントです。
ここを中心に見ると、深さや空気を感じるんじゃないでしょうか。
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等伯は名画多過ぎですね。

日本画の彩色画はクリアファイルが一番発色がいい気がします。
家中クリアファイルだらけですが、案外使ってます。
~3/22まで。東京国立博物館平成館にて。