『シュガーベビー』

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これ程手に入らない本の紹介は正直気がひけるのですが…。
アマゾンでもBookoffでも検索したけど在庫なかったし…。

今日紹介するのは、『シュガーベビー』です。
遙か昔連載されていた少女マンガをいきなり紹介するのは、昨日からの流れです。
「人はなんで生きるか」を読むと、絶対に思い出すマンガです。


ストーリーはクリスマスの日にお菓子細工の少女にキスをして生命を与えてしまった天使のシホンが
彼女が涙で溶けないように姿を変えて地上に降りるところから始まります。
甘やかな香りがする少女は若い善良な夫婦の手の中に落ちて「シュガー」と名づけられ、
愛だけを受けて育ちます。

天使だけじゃなく、妖精やら女神やらのオンパレードですが、中でも出て来る「主」の姿は本当に胸を打ちます。
何者より清浄なその姿は「愛」そのもので、この神が創った世界ならば、人間ならば、こんなに善良で優しい世界なのも頷けます。

妖精や天使の存在にも増して、そこに住む人間は眩しいです。
ギリシア神話』で言う「黄金の時代」を彷彿とさせます。

この心も何もかも神さまがくださったものだから

平凡な少女・セシリアから出た言葉の何と重いことか。


神を信じるという人はどうしてその神が創った自分の良心に逆らって、隣人を傷つけることが出来るのだろう…
「神」は、本来どこにいるのか?

というトルストイのメッセージに通じるものがあるのです。


何歳になっても号泣せずにいられないマンガです。全9巻。
私は「魔女ポイゾン」の話が一番泣ける…。
でも「カーマインとセシリア」の物語のせつなさは半端じゃありません。
「絵柄が苦手」とか言って読まない人は本当に勿体ないです。

知らない人や、思い出した人が読む手段があるのか知らないけど…。
白泉社文庫で出てたと思ったけど、気のせいだったのかな~?…う~ん。