『すぐわかる 源氏物語の絵画』

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源氏絵と呼ばれる屏風や画帖や扇絵が中世から近世にかけて大量に作られました。
中世の始めには源氏絵の虎の巻のようなものがあって、各巻のどの場面を描くのかが決められていたようですが、全巻を網羅する画帖などの大事業ではそれぞれ新しい試みがなされて、独自色を出しました。

そういう意味で、源氏絵は一様には説明のつかない奥の深いもので、そのガイドというべき本がこの
『すぐわかる 源氏物語の絵画』です。待ちに待った一冊といえるでしょう。

解説の多くは土佐派の絵がモデルとして掲載されており、この絵ではココと言った見所が書かれています。
土佐派は絵師集団ですが、各々の時代に天才と呼べる絵師を輩出し、それぞれが傑作を生み出しています。
彼らと共に源氏絵が存在したと言っても過言ではないでしょう。

しかし、最高傑作はやはり国宝絵巻でしょう。
扱う場面の特異さといい、その奥深さでも群を抜いています。
人間の内面を描こうとした試みはヨーロッパ絵画を先んじています。
後が続かなかったのが残念ですが、そのことについても詳しく解説なされています。

源氏展に行って、「オレンジの着物だね~」なんて寂しいことしか言えなかった人には是非読んで欲しい本です。
逆に『源氏物語』の内容を全部把握していて、解説ナシでも理解出来る方も一読をオススメします。
絵画の流れや新しい発見など、単なる教養を越えた源氏絵に関する知識が得られる本となっております。


ようやく本を読み終わったのでブログ書けそうです。
今日の宮本のシュートスゴかったね。